食品産業事業者の働き方改革を推進するため、農林水産省は3月30日、「働く人も企業もいきいき食品産業の働き方改革検討会」の取りまとめおよびその結果を基に、チェックリストや詳細な取り組み方法を盛り込んだ「食品産業の働き方改革早わかりハンドブック」を作成し、公表しました。
福岡県、佐賀県は、県内製造業に占める食料品製造業の割合が全国と比較して高いので、食品産業の働き方改革は、企業として押さえておきたいテーマです。鉱工業生産指数の業種別ウエイトをみると、食料品は福岡県が輸送機械に次ぐ2番目(17.2%)、佐賀県が1番目(22.8%)です。全国における食料品ウエイトは6番目(6.1%)ですから、福岡県と佐賀県では、経済と雇用を支える大黒柱といってもいいですね。 (日本銀行福岡支店金融経済トピックスから)http://www3.boj.or.jp/fukuoka/date-topics.html
しかも、食品産業は、99.8%が中小規模や小規模企業です。長期の少子化の影響による労働人口の減少、そして売り手市場・人手不足のなか、食料品等製造業の欠員率は、製造業全体と比べて2倍以上高く、今後の人員確保・定着は、事業の維持発展を左右する大きな問題です。
食品産業では、他産業と比べて次のような状況にあると指摘されています。
・勤務時間が長い、休みがとりにくい
・女性やパートタイム従業員が多い
・女性が多い割に管理職に占める女性の割合が低い
・離職率が高い など。
検討会では、食品産業の企業数が産業全体で82万超で、そのうち約 99.8%が中小企業なのに留意して、分かりやすい、取り組みやすいアプローチで「ハンドブック」をまとめました。「ハンドブック」は、食品製造業だけでなく、食品流通業、外食・中食産業それぞれの参考となる取組事例を紹介しています。
「ハンドブック」に掲載されている「チェックリスト」は、経営者・従業員の意識改革、仕事の仕方や支援体制などの働き方の行動、ハラスメントや労働災害、教育研修、定着などの12項目で、それぞれの回答ごとに効果的な取組が紹介されています。
また、働き方改革の問い合わせ先として、全国社会保険労務士会連合会を取り上げ、支援策として、労務診断ドックや経営労務診断サービスなどを紹介しています。(ちなみも私も、労務診断ドック・経営労務診断、労働条件審査を実施しております)
食品産業では、今回の取りまとめにあたって実施したアンケート調査の結果、回答者の約6割が「働き方改革は必要だと思うが、まだ取り組めていない。」としていますから、「ハンドブック」をぜひ活用したいですね。
「食品産業の働き方改革早わかりハンドブック」の詳細は、農林水産省のプレスリリースをご覧ください。
http://www.maff.go.jp/j/press/shokusan/kikaku/180328_22.html