働き方改革関連法が6月29日、参院権会議で可決、成立しました。
労働基準法など8つの法律を一括改正したため、
「働き方改革」の内容には、「同一労働同一賃金」(不合理な待遇の禁止)のように異論の少ない法改正もあれば、過労死遺族会や日本弁護士連合会が「過労死を促進するもの」だとして反対した「高度プロフェッショナル制度」を創設する法改正もあり、総合評価をしにくい法改正でした。
内容の評価をわきにおいて、人事労務に携わる立場から1つだけ言いますと、労働法制の改革は、経営者と労働者両方に関係する重要な問題ですので、政府・官邸のトップダウンだけではなく、労使で議論を尽くして、丁寧な合意形成をはかってこそ、制度がスムース、安定的に運用できると確信しています。
いずれにしても、働き方改革関連法の成立で、さまざまな制度のスタートは待ったなしです。
改正法への対応を本格化させ、準備万端で臨みましょう。
また、法改正に消極的に(否応なしに)対応するだけではなく、「生産性を向上させ、事業の発展と活力のある会社をつくるチャンス」と受け止めてみたらどうでしょうか。
働き方改革関連法成立とほぼ同じ時期に発表された「スマートワーク経営研究会」(座長:鶴光太郎・慶應義塾大学大学院商学研究科教授)の『中間報告「働き方改革と生産性、両立の条件」』では、労働時間削減の取り組みが必ずしも企業のパフォーマンスを悪化させず、逆に労働生産性の向上に結び付くし、健康経営が利益率に好ましい影響をもたらすことが明らかになっています。