厚生労働省管轄の助成金(雇用関係の助成金)の2017年度(平成29年度)の新設・拡充・変更が4月3日、厚生労働省のホームページに公開されました。
すでにご覧の方も多いと思いますが、主な新設・拡充・変更を紹介します。
(1)生産性要件の増加
大きな特徴は、生産性要件を設定した助成金が増加したことです。生産性が向上した企業の助成率または助成額が引き上げられるのはメリットですが、生産性要件を満たさないと、助成率または助成額が下がるケースもあります。
(2)勤務間インターバル導入コース
次に注目の助成金としては、すでに公開されていた職場意識改善助成金の勤務間インターバル導入コースです。最大上限50万円ですので、「勤務間インターバル」が「働き方改革」の一環として重視されていることの現れです。
どのような取り組みをするのかというと、「労務管理担当者に対する研修」や「労働者に対する研修、周知・啓発」などに取り組み、勤務と勤務との間(退勤時刻と次の出勤時刻との間)の休息時間数を「11時間以上」または「9時間以上11時間以上」の「勤務間インターバル」を導入するというのが、主な内容です。取り組みの実施にかかった経費の3/4の助成があります。
たとえば、「11時間以上」の「勤務間インターバル」を「新規導入」したなら、助成金の上限は50万円。
4月3日に事業実施承認はスタート。支給対象事業主数は予算額に制約されていますので、早くも申請書を出された会社もあるのではないでしょうか。当事務所でも、すでにこの助成金の申請について多くの相談、依頼を受けているところです。
(つづく)
【生産性要件が設定された助成金】
(再就職支援関係)
○労働移動支援助成金
早期雇入れ支援コース、人材育成支援コース、移籍人材育成支援コース、中途採用拡大コース
(雇入れ関係)
○地域雇用開発助成金
地域雇用開発コース
(雇用環境の整備関係)
○職場定着支援助成金
雇用管理制度助成コース、介護福祉機器助成コース、保育労働者雇用管理制度助成コース、介護労働者雇用管理制度助成コース
○人事評価改善等助成金
○建設労働者確保育成助成金
認定訓練コース、技能実習コース、雇用管理制度助成コース、登録基幹技能者の処遇向上支援助成コース、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース、女性専用作業員施設設置助成コース
○65歳超雇用推進助成金
高年齢者雇用環境整備支援コース、高年齢者無期雇用転換コース
(仕事と家庭の両立関係)
○両立支援等助成金
事業所内保育施設コース、出生時両立支援コース、介護離職防止支援コース、育児休業等支援コース、再雇用者評価処遇コース、女性活躍加速化コース
(キャリアアップ・人材育成関係)
○キャリアアップ助成金
正社員化コース、人材育成コース、賃金規定等改定コース、諸手当制度共通化コース、選択的適用拡大導入時処遇改善コース、短時間労働者労働時間延長コース
○人材開発支援助成金
特定訓練コース、一般訓練コース、キャリア形成支援制度導入コース、職業能力検定制度導入コース
(最低賃金引き上げ関係)
○業務改善助成金