福岡市が戦略特区に指定、創業支援の改革拠点に政府が地域を限定して規制を大胆に緩める国家戦略特区として指定を決めた6カ所に、福岡市が創業特区として選ばれました。
指定が決まったのは、福岡市のほか、東京圏、関西圏、新潟市、兵庫県養父市、沖縄県。3月28日、首相官邸で開かれた国家戦略特別区域諮問会議で決定しました。
政府は、今後、地域の範囲を定める政令を4月下旬までに閣議決定する予定。特区ごとに設置される区域会議に参加する民間事業者の公募を経て、5月には区域会議を立ち上げて、早ければ夏までに区域計画の内容が明らかになる見込みです。
福岡市の特区は、創業支援のための「改革拠点」の位置づけ。「雇用条件の明確化などの雇用改革等を通じ国内外から人と企業を呼び込み、起業や新規事業の創出等を促進することにより、社会経済情勢の変化に対応した産業の新陳代謝を促し、産業の国際競争力の強化を図るとともに、更なる雇用の拡大を図る」ことを目標にしています。
政策課題としては、 (1)起業等のスタートアップに対する支援による開業率の向上、(2)MICEの誘致等を通じたイノベーションの推進及び新たなビジネス等の創出--が挙げられています。
実施が見込まれる事業や関連する規制改革には、雇用・労働分野では、▽創業後5年以内のベンチャー企業等に対する雇用条件の整備、▽多様な外国人受け入れのための在留資格の見直しが検討されています。ほかにも、外国人向け医療の提供、歴史的建築物の活用や都市再生による街なかの賑わいの創出が見込まれています。
福岡市は2013年、スタートアップ都市宣言をして、起業・創業による経済の活性化と雇用拡大を狙っています。戦略特区諮問会議でのプレゼンテーションでは、在留資格の緩和、起業後5年間限定の雇用の規制緩和、法人税の引き下げなどを提案していました。
当面は、従業員との個別労働紛争に対応する「雇用労働相談センター(仮称)」の設置が見込まれています。
福岡市は、ホームページで「スタータップの5年間に限り、法人税の減税、外国人高度人材の活用、外国医師の業務解禁、雇用条件の明確化などの規制緩和等を次々追加予定」とアピール。高島宗一郎市長はブログで「創業に繋がる規制緩和などをどんどん提案していきたい」と述べています。
戦略特区が福岡市にとって創業・起業ブームの呼び水、追い風になるのか、政府が雇用の規制緩和がどう具体化するのか、今後の動向から目が離せません。